専門家ではないので私が夫を見た様子の描写になります。詳しくは専門家にお尋ねください。
言語療法(言語聴覚療法)もその一つ。
失語症の原因は、脳の言語中枢が傷つくことです。
夫は左の脳に多くの出血があったことから言語中枢にダメージが出ました。
始めは自分の名前も言えず、言葉自体が出てこない状態でした。
こちらの話は、聞けて理解できるのでうなずくことで一応返事はできるのですが
自分から話をしたいときに、全く言葉が出てこない。
話たいだろうことをこちらで察して、聞きながら返事をする。
そして話したいことの糸口を見つける、いろんな事象で促し確認しながら話を引き出す。
そんな感じで、夫から話をしたい時が大変でした。
担当するのは言語聴覚士さん
絵を見て音声を発して、それを真似るが繰り返されていました。
小学生が使うような絵の付いたカードを一枚ずつ見て・言う。
すぐに真似ることができないので、何回か言いながら思い出しているようでもあります。
失語症になって話すことだけでなく、読む、書く、計算することに困難が生じました。
夫の症状は
・言いたい言葉が浮かんでこない
・言いたいことと違うことを言ってしまう
・文章で話すことが難しい
・同じ言葉が言えたり言えなかったりする
・言いたいことの前にこちらが言った言葉が続いて出てくる
・複雑な内容の文だと意味を読み取れない
・計算が難しい
等の症状が見受けられました。
言葉が出ないといっても、意志の疎通は何とかできる状態だったので
まだ良かったのかと思います。
文字は読めるけど、音声は理解できないとか様々な症状があるようで
病院の中でも食堂とかのオープンスペースではいろんな方を目にしました。
言語のリハビリは書くことのプリントがありました。
・1枚は自分の名前と住所を書く練習
・1枚は絵と文字が同じを見つける
・1枚は絵の単語を何回か書く
ということを、退院してから1年半くらい受けていたでしょうか。
定期的に回復度のテストがされて、回復が見込めてるうちは
言語のリハビリは続いていました。
ちょっと回復度が止まったと検査結果が出るとリハビリは
終わりとなりました。
始めのころは、話せない・話したくないと口をつぐむことが多かったように思います。
「赤ちゃんのように何でも口に出したらいいんじゃないの。」と勧めても
「いい。」と言ってしようとはあまりしませんでした。
でも、突然言葉が出たり、話せる瞬間があって
「話せるじゃん!」「ペラペラだね」と喜ぶことも時間の経過とともに
出来てきました。
言葉が出にくくても、話したい気持ちや周りとコミュニケーション取ろうとする
気持ちが言葉を引き出してくれるようになりました。